時の雫-辻谷聡/冷たい声

あとがき(ちょこと解説)


 時の雫の、この端のお話までお読みくださった方、ありがとうございます。
 辻谷聡のお話は、本編を執筆中に脳内構想の中で出来てました。
でも、それをどういう話にするかまでは形が見えてなかったです。
 以前に、メールで聡はどう思っているんだろう、というような思いを頂きまして、それからより具体的に構想が始まりました。
当初より作者の中では、「聡はこんな男の子」というのはあるのですが、どうもあちらこちらとキャラがかぶってしまっているような気がして…(汗)
お蔵入りも大分考えていました。
ですが、秋という季節(今年はえらい遅いですが)は、こう、なんていうか、人の心を切なくさせるんですよね。そして、切なくさせるものが書きたくなるんですよねー。
という訳で書いちゃいました。

 ●冒頭部分
気づかれた方、いらっしゃるでしょうか?
§0距離の向こうに Episode4 で美音が野田高の学祭に行った時のことを回想しているシーンと同じシーンです。
聡ではこう思ってました。
美音をどう思うとかよりも、周りの冷やかしが嫌で堪らない、という聡の気持ちが出てます。

 ●聡と樹の所に川口到来
はい、聡と樹はこの時から既に友人です。
で、聡から見た「相変わらずの川口」。こんなんです。ええ、本当ろくでもない人間になっとります。
川口が何を言っているかはご想像にお任せして。
川口のせいで「美音について何かを考えるのが嫌」な状態になったんですね。

 ●回想-中3
美音の占める位置よりも圭史の方が断然大きく、面白くない毎日に一緒にいてくだらない事でも楽しくやりたいなぁという思いが渦巻いている聡の中です。

 ●回想-中2
「初めの頃」に関しては取立て言う事はありません(笑)
 その後の回想は多分、後半、夏以降の時期だと思います。
圭史がキレた場面は、もし、叶うならで貴洋が心の中で言っていた「中学の時に川口に本気で怒った時も、確か、川口の悪ふざけが酷すぎた時……」の事です。
実はその時の「顔を引きつらせているのは、その春日美音と同じ小学校という人間」は貴洋を指しています。
聡の記憶の中の話になってますから、……ようはその時他に誰がいたのかはあんまり覚えていない、という事ですね。

 本編では全く語られない聡。
聡はこんな風に思っていたよー、と同時に、聡から見た圭史ってこんなだよー、というお話なのですが、……圭史って不可解な人物になってますね(汗)
聡にとって、圭史の台詞はなんだか深いみたいだし。
それに波風が少し立つ自分の気持ち。だけど、それが何かは解明できない聡。
美音がいて、聡と圭史の見えないけれど、こうなんていうか微妙な感じ…。何をどう思っていたかははっきりと見えていませんが、ぼんやりと感じて頂けたらいいなぁと思っています。

結局、この話では「美音をどう思ってるの?」という疑問は解決できませんでした。(…いや、するつもりもありませんでしたが・笑)
その解決は次に続きます。
 では、ここまでお読みいただいた方、誠にありがとうございました。

2007.10.22