時の雫・第2部 風に乗って君に届けば§6&美音 癒えぬ傷跡

あとがき


 学祭準備が始まった頃のお話でした。
あまり元気のなかった美音の理由が、出てきました。
そーなんです、1年前の事を思い出してはため息をついて。
相当、気が重くなっていたようです。
 でも、そこに、圭史が現れるとまだ気分が上向きになっているんですけどね。
また違うことに気を使って疲労が増しているような感じもしますが。

 そして、1年生の時の体育祭のお話、これは最初から決めていました。
亮太のあの台詞。
その後、あの時の台詞の話は二人の間で一切出てきてはいません。あれきりです。
美音にとって亮太は、肩を並べて一緒に仕事をこなしていく存在。自分の弱いところを見せたくない相手なのです。
一方、圭史は最初から弱いところばかりを見られているので、そこに視点を置くと頭を抱えてしまいたくなる存在です。
変なところは見せたくないけど、見られてる。恥ずかしいことこの上ない。って感じでしょうか。
 過去と自分自身を持て余している美音だから、まだ明るい考えになれないのでしょうね。
たとえ、心が揺さぶられていても。