時の雫・第2部 風に乗って君に届けば

あとがき


最終話まで読んで頂き、本当にありがとうございます。

 この連載を始めて、§1の1話から§12の最終話まで、本当に長かったです。
2004年の7月下旬から2005年10月2日までおよそ1年と2ヶ月でした。
数えてみると、総68話!
・・・よく描いてこれたものだな、と自分を感心・・・
じれじれが楽しかったです(笑)

美音に振り回される圭史。
何度も何度もチャンスはあったのに、美音に手を出す事はせず(それでも手は繋いでましたね。最後のほうでは抱き締めたりもしてましたけど)、色々な葛藤と悪魔の囁きにも必死で耐えて見せた圭史。
これが彼でなかったら、とうの昔に襲ってたでしょうね(笑)
自制心、忍耐力が強いのか、本気すぎて砕けるのが怖くて手が出せなかっただけか。

 当初の予定では、あのじれじれが最後の方まで続く予定でした。
それで最終話で、圭史が本音を言って、美音があの真っ赤にさせた顔を両手で覆って気持ちを吐露する、っていう構想だったんです。
 でも、これだけ話かいてると、お互いの気持ちが分からないままラストまで進む、というのは難しいですよね。
それ以前に、皆様に痺れ切らされそうで、怖い(笑)
 ここまでの道のりの中で、まぁ、必然的な経過を経て、二人はカレシ・カノジョという関係になりました。

 圭史の淡い想いはいつからあったのか。
それは、話の中(§9episode12)で谷折が言っていた通りで、中学の時から。
機会があれば、その頃の話でも書いてみようかな、とぼんやり思ってます。
(行動に出るかは、さておいて)
 その思いを昇華する事もできず、行動に出す事もできず、くすぶったままの状態で時は流れ、高校生になった圭史。
彼女との距離の遠さ、接点をもてない現実を知っていた圭史は、期待をしないようずっと気持ちに蓋をして我慢する事を日常としていました。
 それが、高校2年生になって、予想外の出来事が1つ起こり、そして、また時間を置いて、ある出来事が起こり・・・。
抗いようのない風に圭史は巻き込まれていきます。
数々の出来事がなかったら、きっと圭史はここまで頑張れる事は出来なかったのではないかなぁ、と思います。
 本当は、元々恋には積極的ではない圭史だから。
そして、美音も大胆な行動に出られない女の子だから。
 結局、運命の女神は圭史に味方したのでしょうね。中々激しく辛い試練の道のりではあったでしょうけど。

 付き合いが進むんだ頃、きっと二人は「そう言えば、実はあの頃って・・・」なんていう会話をするんでしょうね。
そして、美音の話を聞いて、圭史は一人目眩を起こしそうな気分になるはずです。
その理由は、美音サイドを読んでいただいて、ゆっくりと紐解いていって下さいませね。

 ではでは、最終話までの道のりをお付き合いくださってありがとうございました。


2005.10.04