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その11 −−− 美音と母がお邪魔した瀧野家夜
(§9Episode9:立派な片想い2)ダイニングテーブルには、遅くに帰宅した長男、功志が晩御飯をとっていた。
その向かいの席には母が座っている。
丁度そこに2階から降りてきた圭史。
「はー」
頬杖をついて、遠いどこかを眺める母に、功志は言う。
「どうしたの?」
「んー、今日久々に美音ちゃんも家に来たんだけどねー」
「ああ、あの子ね」
「やっぱり可愛いわねー。いーなぁ娘欲しかったなぁ」
「今からまた頑張れば?」
「ごほっ」
功志の台詞に噎せる圭史。
「ばか仰い。でも本当美音ちゃん可愛くていい子よね」
背を向けるようにして流しでお茶を飲んでいる圭史。
「圭史は学校ではどうなの?」
「は?何が?」
「特定のガールフレンドとかよ」
「……放っておいてよ」
「つまんない子ね。ん〜、功志も変な女に引っ掛からないで」
「ひどい言い様……なぁ?」
救いを求めるように圭史に目を向ける功志。だが背を向けたままの圭史。
「美音ちゃんみたいな子捕まえなさい」
「早々あんな子いないって」
呆れがちに言った功志。圭史はひたすら沈黙。
「じゃあ今のうちに捕まえときなさい。将来のお嫁さんに!あの子は将来いい女性になるわよ!圭史ほら!」
「げぇっほっ!!ごほっごほっ!変なトコ入った……!」
噎せまくる圭史。
そして、何かを思う母。
「……そうか、娘がダメなら、息子のお嫁さんという手があったか……」
「また変なこと考え始めたよ、この人は」
呆れた口調で言った功志。
「もう勘弁してくれ……」
心の中で呟く圭史だった……。
自分の母親もお気に入り(笑)
これはこれで怖いよね〜(月の猫)